中学受験理科の困りごとにお答えします!

中学受験理科の学習方法、考え方、さらには中学受験全般について書いていきます。コメント欄からご質問いただければ、その内容に関する記事を優先的に書きたいと思いますので、お気軽にどうぞ。

塾の選び方(集団or個別編)

受験をするにあたって早い段階で選択を迫られるのが塾選びです。私はこれまで集団、個別両方の複数の塾で授業をしてきました。現在は集団塾に所属しています。


これまで内部で働いた経験から、集団、個別のメリット、デメリットを書きます。


集団の大手といえば、SAPIX四谷大塚早稲田アカデミー日能研あたりになりますが、今回は各塾の特徴等は置いておいて、集団塾というくくりで考えます。


集団塾で学ぶメリットは

①質の高いオリジナルテキスト

②学校別コースが豊富

③講師の質が高い

④周りとの比較ができる

⑤受験の情報が多く集まる


このあたりです。カリキュラムが明確に決まっているのもいいところです。

①については、予習シリーズに代表される中学受験用テキスト(プリント教材の場合もある)が各塾にあり、教材に沿って毎週授業が行われます。教材の質が高いので、どこの校舎、教室に入っても同じような内容の一定レベルの授業を受けられます


②の学校別のコースは各塾の売りですね。開成特別、桜蔭特別など、最近では渋渋や豊島岡などのコースを置く塾もあります。

正直私は「コースに入ったから受かる」とか、「コースに入れなかったから受からない」なんてことはないと思っています。

もちろんコースに入ることはその学校の合格よりはハードルが低いので、コースに入れないということは、まだ学力が足りていないということです。しかし、夏休み以降で伸びる子もたくさんいますので、合格を諦める必要はありません。というより、諦めてはいけません

コースに入ることのメリットは、通常は家で自分でやらなければいけない学校の対策を塾でできるので、受験勉強の負担を減らすことができる点だと思います。

さらには同じ学校を目指す仲間と勉強する事により、モチベーションを保ちやすいのこともメリットとしてあげられます。


③の講師の質については、何を求めるかが人によって違うので、100%とは言えませんが、少なくとも私がお世話になってきた先生方は皆さん素晴らしい先生達でした。キャリアが長い先生が多いので、良くも悪くも指導法が確立されていてぶれがない。

ただし、中にはベテランだからこその傲慢な先生がいたり、塾によってはアルバイトの学生講師が当たる場合もあるので、過度の期待は禁物です


④は集団の大きなメリットです。一人で勉強していると、自分の全体的な位置が見えません。学校選びや成績ののびを確認するには他人との比較はどうしても必要になってきます。最後は人よりも点数を取ることが合格に必要になりますので。また、これまで蓄積されたデータ量が多く、より正確な合格判定が出せます。


⑤は特に大手の集団塾になりますが、学校と一緒に行う説明会などを実施している塾もあり、学校との関係性が近いです。かなり密接な塾、学校もあります。定期的に学校の先生がパンフレットを持ってきたり、テスト会場として学校を貸してもらったりと、様々なつながりがあります。


次は集団のデメリットです。

①クラスの人数が多いため、一人一人に合わせた授業ができない。

②他人と比較されることがプレッシャーになる子がいる

③人間関係が成績に影響を与えることがある

④講師を選べない


①は集団塾講師の解決することができないジレンマですね。ほんとは全員に最適な指導を受けてもらいたいのですが、必ずしもそうはできないのが現実です。クラスを分けて近いレベルの生徒を集めて授業をしていますが、一人一人理解できない部分が違うので、個人的に質問ができない子には向かないかもしれません


②の他人との比較ですが、これはメリットにも書きましたが、生徒によってはデメリットにもなります。比べられて嫌な思いをする子もいるので、同じ学校の子が通っていたりする場合は注意が必要です。間違えても「~ちゃんは一番上のクラスなのに…」のような声かけは絶対にしないようにしましょう


③については、人がたくさん集まれば、人間関係で色々なことが起こります。みんな勉強するために通っている塾ですが、イジメに近いこともありますし、ケンカなんかは珍しくありません。塾側は最大限注意はしていますが、0にするのは非常に難しいです。子供たちは勉強のストレスを抱えますので、はけ口に弱い相手を見つけるのかもしれません。ターゲットになってしまうと勉強どころではなくなりますので、人間関係は重要になってきます


④の講師はいい先生が当たれば最高のメリットですが、そうでなかった場合はデメリットです。クラスが変わらない限りは先生は変わりません。集団塾ではクラスも多く、時間割を組むのも大変なため、クレームを入れても、一人のために先生を動かすのは非常に難しいです。しかも、他の生徒はその先生を気に入っていたりすることもあります。合わない先生に当たってしまった場合は、クラスが変わるまでは諦めて授業を受け続けることになります


続いては個別指導のメリットです。塾によっても違うと思いますが、私の知っているところで話をします。

①生徒一人一人に合わせたカリキュラムや教材で学習できる

②先生を選べる(そうでないところもあります)

③人間関係を気にする必要がない


①は個別指導最大のメリットです。集団指導では絶対にできません。よく言うのは「わからないところの一歩手前から始める」ということです。できるところから始めて、その先のできない部分に入っていくため理解がしやすいです。また、講習などはコマ数の制限なく何コマでも取れます。その子にあったレベルの授業をいくらでも受けられるのが魅力です


②も集団では考えられません。自分にあった先生を選べるので、先生と合わないということはまずありません。私が働いていた塾でも、生徒はみんな楽しそうに通塾していました


③は集団のデメリットの部分ですが、個別指導は1対1や1対2(1対6などで個別をうたうところもありますが)です。しかも、回りの生徒と関わることはほとんどないので、人間関係はほぼ発生しません。余計なことに気を取られずに授業を受けられます。


以上が個別指導のメリットです。ではデメリットを。

①生徒の能力に合わせるため、カリキュラムが遅れがち

②生徒と先生が仲良くなりすぎる

③先生のレベルが低いことが多い

④受験に向けて本気で通うと料金はかなり高くなる

⑤他人との比較ができない


①はメリットの裏返しですが、集団と違って、わからなければわかるまで何度でも同じことをやりますので、カリキュラムは遅れがちです。ただし、それでもわかるのならと考えれば、気にならない人もいるかもしれません。


②と③は先生に関するデメリットです。生徒が先生を選ぶので、非常に仲良くなります。また、先生も生徒から選んでもらうために優しかったり、生徒に話を合わせたりします。仲良くなりすぎて、勉強以外の話で盛り上がってしまうこともあります。

さらに、個別指導は生徒に対して先生がたくさん必要ですので、アルバイト講師が基本です。私は能力が高い先生にはほとんどあったことがありません。最近は社員が教える塾もあるようですが。


④は受験生に講習のカリキュラムを提案するときはかなり多めに提案をします。全てのコマをとるとかなりの料金になります。先生の能力が低い場合は、ろくでもない授業に大金を払うことになりますので、コストパフォーマンスはよくないです


⑤は集団のメリットですね。他人を気にする必要がない反面、自分の立ち位置を判断しにくいです。学校補習であればそれでもいいのですが、受験となるとそうはいきません。自分で申し込んで、大手の判定テストを受ける必要が出てきます


以上が個別のメリット、デメリットです。


長々おつきあい頂きましてありがとうございます。


私が内部で授業をしてきた結論としては、

どんな子でも受験は大手の集団塾が第一候補


です。


講師のレベル、経験、受験の情報量が大手は全然違います。
中学入試を目指すなら大きなところに入れて鍛えるべきです。
ただし、わからないところは自分で質問をして解決する姿勢が必要です。
仮にレベルが足りなくて、授業についていくのが大変な子も、そういう姿勢を身につけることで伸びていけます。
保護者の方はその部分を応援してあげてください。


個別指導はどんなに手を尽くしても、質問ができない(受け付けてくれないは問題外)、集団授業についていけない、人間関係に問題がある場合に探すといいと思います。
お金に余裕があるなら、集団塾の補習として個別を使うというのも手です。いいとこどりができます。


子供の能力を最大限伸ばせる塾が見つかることを祈っています。




















にほんブログ村 教育ブログへ
にほんブログ村 
にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ
にほんブログ村
にほんブログ村 受験ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ
にほんブログ村
にほんブログ村 受験ブログ 受験勉強法へ
にほんブログ村
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


受験ランキング


中学校受験ランキング


理科教育ランキング