不思議な名前。理科って何を勉強する科目?
理科というのは少し変わった名前です。気づいていましたか?
私たちが父母に話をするとき「算数科の~です。」「国語科の~です。」「社会科の~です。」と担当科目をいいます。しかし、理科の場合は「理科科の~です。」とは言いません。(当たり前ですね)
当然「理科の~です。」といいます。
算数科は算数を勉強する、国語科は国語を勉強する。この理論でいけば、理科は「理(り)」を勉強する科目であるということになります。ちょっと変な感じがしますが、まさにその通り、「理」を学ぶ科目です。
中学受験のブログなのになぜこのような話を書いているかというと、勉強をするときには目標が必要です。目先の目標として「テストで○○点とる」「クラスを上げる」などあると思いますが、「理」を極めることこそが理科の最終目標であり、そのための準備として、小学校から高校(大学の授業もそうですが)までの理科が組み立てられているわけです。
これを知っておくことにより、単元や、入試問題を解くに当たっての到達地点が考えやすくなります。
では「理」とは何か?読み方を変えると「理(ことわり)」ということになります。そうです。理科とは物事の「ことわり」を勉強する科目なのです。
もう少しわかりやすく言うと、
物事の原理、原則を学ぶ(最後は極める)ことにより、これから起こることの予測ができるようになる。さらには遡って、物事の起源に到達することができる。
これが理科を学習することの大義名分です。今まで私が教わった先生で、理科とは何かを教えてくれた先生は残念ながらいませんでした。なので、学生時代の私は流れに流されるままにただ教科書を消化していっただけでした。これは非常にもったいないことです。
たかだか中学受験でそこまで考える必要ないでしょ。と思うかもしれません。では、あなたのお子さんは何のために中学受験をするのでしょうか。「最上位校に入学して、東大に入れる」ためでしょうか。大学入試が厳しくなっているから「大学付属校に中学から入れてしまう」ためでしょうか。もしそのようにお考えであればこれもまた非常にもったいないと思います。何のために中学受験をするのかということは別の記事で書きますので、ここではおいておきますが、とにかく、理科を学習するときには、ただ目の前の問題を解けるのが大事なのではなく、その単元の原理、原則を理解することが大事なんだと考えながら勉強してもらいたいと思います。
ただし、小学生が学習するわけですから、原理原則といっても、その導入部分に過ぎません。自分の理解のレベルに合わせて、深く入り込んでいくところ、深入りしないところを選んでもらえれば苦しくなることはありません。例えば物理が好きな子は理論的な部分を深く追究してもいいですし、嫌いな子は表面部分をさらうくらいにしておくなどですね。これは私が授業をするときにはクラスごとに変えている部分です。
学者でもない私が、このような話をするのはおこがましい気もしますが、あまり教えてくれる人がいないことなので、あえて書いておきました。このような考え方が身についていくと将来必ず役に立ちますので、是非子供たちにお話ください。